前回のエントリでは世界一周特典航空券のルートを考えました。
今回はそのルートを予約発券するまでの七転八倒をお送りします。
まずは飛行機のルートを探す
行きたい国は決まりましたが、具体的に飛行機のルートを決めなければいけません。
すべて直行便で行ければよいのですが、そうそう空きがあるわけではありません。
今回は特典航空券なので、普通に往復の特典航空券を予約するように数少ない特典航空券の空きを探して予約しなければならないのです。
予約は355日からではない
また、通常航空券の予約は355日前からですが世界一周特典航空券は355日前きっかりには予約できません。
世界一周特典航空券の条件に最終フライトは日程開始の10日後以降とするとあります。最短でも旅行開始の355日前プラス10日分で、345日前からしか予約できないのです。
ANAのビジネスクラスの特典航空券はとても人気で、ハイシーズンになると355日前に売り切れてしまいます。
日本発着便でANAのビジネスクラスを利用したい場合はハイシーズンをずらすことをおすすめします。あるいはハイシーズンでも2,3日日程をずらすだけで空いていたりするので、根気よく一日ずつ空きを見ていきましょう。
また、スターアライアンスの航空券は会社によって発売開始日が変わったり、開放される日が違います。
昨日は見つからなかったけど今日はひょっこり出てきたということもありますので、発券したい日の数日前からこつこつ検索し、空きの傾向を把握するとよいでしょう。
ストップオーバーして後日旅行する分の区間を早く発券するには
世界一周特典航空券はすべての便を確保しないと発券できません。例えばGWと夏休みに旅行する場合、GW明けに一年後のGWの便を予約できるようになりますが夏休みの予約はまだ始まっていません。
しかし夏休みまで発券を待っているとGWの予約が埋まってしまいます。
ではどうするかというと、夏休みに乗る便もGW期間の日程で予約してしまうのです。
ストップオーバーして後日行く便を一旦押さえることで、より早い時期に特典航空券を発券することができます。
特典航空券の日程変更は無料で何回もできるため、日程変更によるコストは発生しません。
しかし、夏休みに希望の便に空きがあって確保できる保証はありませんので、多少はリスクが伴います。
どうしても取れない場合はルート変更なども検討しなければいけませんが、ルート変更はキャンセル&取り直しとなります。
ルート変更にはキャンセル料3,000マイルと電話発券手数料5,400円がかかるうえ、押さえていた便もすべて手放して取り直しになりますので、後日日程変更する場合は確実に押さえられるような便を予測しルート決定する必要があります。
大西洋横断フライトが鬼門すぎる
今回ANAのビジネスクラスより難しかったのが大西洋の横断フライトです。
私はアメリカとヨーロッパ間を大西洋横断ルートとしました。日本発着のANA便は使えませんので、他のスターアライアンスの便を探す必要があります。
アメリカの各都市とスウェーデン・デンマーク・スペインをつなぐ便を検索しましたが、エコノミーはあるもののビジネスはほとんどありません。スイスなどのスターアライアンス就航都市で調べてみてもなかなか出てきません。
その中で出てきたのはポーランド航空とポルトガル航空。ワルシャワ経由でスウェーデンあるいはリスボン経由でスペインに行く便なら、ビジネスクラスで取れそうです。
合わせてアメリカ側の発着地もチェックします。日本からアメリカ、アメリカからヨーロッパの便の発着地はバラバラでも構いませんが、空港間の移動が大変なのでなるべく揃えたほうがよいでしょう。
東京ロサンゼルスのANA便と、ロサンゼルスストックホルムのポーランド航空便が奇跡的に空いていたので、このルートにしようと思います。
あとはヨーロッパ内の移動と日本に帰る便を探します。ヨーロッパ内のビジネスクラスは大西洋航路より簡単に見つかりました。
ヨーロッパから日本に帰る便もなかなか見つかりませんでしたが、ターキッシュエアラインズのイスタンブール経由の便が見つかりました。
なお、以上のルートの検索結果はANAのプラチナステイタスでの結果です。通常のマイレージ会員での検索結果とは違いますのでお気をつけください。
私がプラチナステイタスを取得した経緯はこちら↓
必要マイルを数える
スターアライアンス世界一周特典航空券の引き換えに必要なマイル数は距離制です。距離を飛べば飛ぶほどマイルがかかるんですね。自分がどのくらいの距離を飛び、特典航空券にかかるマイルを計算する必要があります。
まずは必要マイルをチェック。ANAのウェブサイトに説明があります。
主要都市を回ってビジネスクラスで世界一周するには少なくとも105,000マイルは必要です。
次に自分の考えたルートのマイル数を確認します。
スターアライアンスのwebサイトで確認できます。トップページ左の「世界一周」タブから検索ページに飛ぶことができますよ。
電話を掛ける
ウェブでルートと空きを確認したらANAのサービスデスクに電話をかけます。世界一周特典航空券はウェブでは発券できず、電話のみ受付ています。そのためウェブではかからない発券手数料5,400円がかかります。
サービスデスクも混んでる
サービスデスクはいつも混んでおり、朝や昼の混雑時には5分ほど待つこともあります。
台風での遅延など問い合わせが増える時期はさらに混みますので注意が必要です。
webで空いてた航路が取れない
5分ほど待ったあとにオペレーターさんに繋がりました。世界一周特典航空券を発券したい旨をつげ、ウェブで確認しておいたルートを読み上げます。
最初は順調でしたが、最後のルートでハプニングがありました。ヨーロッパから日本に帰るターキッシュエアラインズが取れないのです。原因はわからずじまいでしたが、トルコはアジア圏とみなされるため、ヨーロッパからの乗り継ぎ要件にひっかかるのではないかと想像しています。
ウィーンから日本に帰る別ルートをオペレーターさんが提案してくれました。ウィーンからデュッセルドルフまで出て、そこからANAのデュッセルドルフ成田便で帰るルートです。まさか行きも帰りもANAのビジネスに乗れると思っていなかったので、オペレーターさんの提案内容で予約をしていただきました。
まさかのマイルが足りない
やっと飛行機が押さえられたと思ったところでまたハプニングです。乗継便のルートを変えた関係か必要マイルが増え、私の手持ちのマイルだと足りないことがわかりました。
そんなときもオペレーターさんは冷静にアドバイスしてくれます。ヨーロッパ内の移動を一部キャンセルし、別手配とするとよいとのこと。
確かにヨーロッパ域内便はビジネスでも金額はたかが知れているし、自己手配で行けそうです。陸路も選べます。
これで手持ちマイルで予約できる距離になりました。
さあこれでおわり、というわけではありません。燃油サーチャージや諸税の精算があります。世界一周特典航空券ともなると計算が難しいようで、時間がかかるため折返しますと言われました。
一日後に折返しの電話があり、そこで諸経費を教えてくれました。計5万円少々。乗り継ぎが多い割には優秀かと思います。合わせてクレジットカードの決済も行いました。
なお電話をかけてからルートをすべて確定し電話を切るまでに39分かかりました。
お昼休みや通勤時間を使って電話をかける際は注意してください。
お昼に発券のお願いをして、仕事中折返しの電話がとれないこともしばしばです。
発券してわかった注意点
実際に世界一周特典航空券を発券して気づいたことを挙げてみます。
- 世界一周特典航空券の発券は電話のみ。電話発券の手数料がかかる。
- 電話での発券となるが、オペレーターにつながるまでとルートを組むまでに時間がかかる。下準備ができていても1時間はみること。
- ウェブで確認していても実際は取れないルートもある。
- マイルの計算はルート変更などで計画から変わることがある
- 下準備していても電話をかけるまでそのルートで取れる保証はないので、あまりガチガチに決めずに、日程や発着地に柔軟に対応できるようにしておく
- ストップオーバーで一時帰国する場合でも、一旦同ルートを押さえておいて後日日程変更をすればOK
結局こんなルートになりました
結果発券できました!ルートは以下のようになりました。
東京からロサンゼルス、ロサンゼルスからワルシャワ経由でストックホルム、ストックホルムからミュンヘン経由でバルセロナと大西洋を回ります。
バルセロナで一時帰国し、ウィーンに戻って、日本に帰るというルートです。
南半球には行かず、なるべく北半球の緯度の高いところを巡って距離を節約しようという作戦です。
アジアも寄ればよかったなあと思いましたが、そのかわりANAの長距離ビジネスに2回乗れるのでよしとしましょう。
アジアに寄るとその分ANAのビジネスクラスに乗れる時間が減ってしまいますからね。
以上、世界一周特典航空券の発券の経緯でした!